「劇場版プロレスキャノンボール2014」を見ました

とりあえず初日に見に行きました。
 
なるべく情報を入れたくないから初日のチケットを買ったのに、
試写で見た関係者がベラベラ余計なことばっかり喋るから、
本当に黙って欲しかったし、客のためにもっとのりしろ残しとけよって思ってた。
まあみなさんエモってエモって。
 
まあ気を取り直して「劇場版プロレスキャノンボール2014」を見てなんですが、
人が怒られている映像は面白いというのが感想です。
 
初日は関東中心での行動なので、比較的対戦相手も見つかるし、
事件も結構起こっていたのでスピード感ありました。
皆さんがスーン…だったガンプロチームの動きにも盛り上がりポイントあり。
 
坂口兄と「ことり」の試合は名勝負の雰囲気。
普通に試合全編が見たい。「ことり」かわいい。
 
鈴木みのるに潰されるコグマかわいい。
市ヶ谷と千葉の感じが最後の最後でアレになるところは痛快。
 
Twitterでの情報拡散を武器にやってきたところで、
逆にTwitterに情報を出さないという手段をとったところなんかは、
実に男色ディーノだったしHARASHIMAだったなと思った。
飯伏は終始飯伏だったけど。
 
2日目は土地柄ぐっと選択肢が減ってしまう中で、
きちんと見どころを作っていった3チームと
狂気しか生み出せなかったガンプロチームとのコントラストが
今を物語っているように感じました。
 
2日目のプレビューをぶっ飛ばして始まった、
東北への熱い思い語りみたいなのから坂井が一抜けしているところに
やっぱり人間早々変わるものではないなと思った。
 
移動の車中で話ししてたことなんだけどってことは、
車中では坂井も参加しているはずなんだけどね、
まあ聞き流して相槌打ってただけの可能性は高いけど。
 
話題がこの祭りの後へと移っていく中で、
坂井は完全にカメラマンへの指示出しに集中していって、
更に後の編集のことを考え始めてるんだなっていうのが面白かった。
大家が到着したら大家はいじるんだけど。
 
東北への思いとプロレスの持つ力については、
何も悪いことじゃないと思うんだけど、それはそれとして
キャノンボール部分の決着はもうちょっとちゃんとして欲しかった。
 
あの流れはガンプロチームの到着が遅すぎたからかとは思うんだけど、
話の軸がブレてしまって、最後にもっと大きな風呂敷を突然出してきて
強引にまとめた感じがした。
チャリティーとか復興とか文句言いにくいけど、そういうこっちゃ無いんだよ。
 
にしても、相応のキャリアを積んでいる人はやっぱり凄いなと思いました。
鈴木みのるにしても里村にしても人生と沼二郎にしても。
 
この「劇場版プロレスキャノンボール2014」という作品は、
高木三四郎の言った「大家の映画」という表現が一番的を射ているのかも
知れないけど、大家はあくまで触媒でしかないなと思った。
 
大家という存在に対して、他の登場人物が
どういう風に絡んでいくか、大家と坂井、大家と高木三四郎
大家とHARASHIMA、大家と鈴木みのる、そして大家と今成というように、
それぞれがそれぞれ大家との関係性を見せる部分が、
この作品の軸であることは間違いないけど、まあそれはそれだよ。
 
大家のいいところなんて大船渡の会場にお客さんが入って、
それを覗いて喜んでるところと、大声援を受けて人生と試合してるところくらい。
 
大家と直接絡むことなく存在感を出していた飯伏は本当にスターなのかもしれないです。
 
不覚にもフラットな気持ちの中で一番グッと来た場面は、
大船渡で入場してくる飯伏にお客さんたちがわっと押し寄せてくるところでした。
あれは地方出身者が撮る映像だと思うから、
地方でプロレスを見てた人には、気持ちに入ってくるのではないかと思いました。
単なる入場順の問題なんだけど、あの場面で出てくるのが飯伏だってところも、
花道に集まるお客さんの図も、とても良かった。
 
映画というよりもライブビューイングだったかなと思いました。
でも、ドキュメンタリーのライブビューイングっていうのは
新しい手法なのかもしれません。
 
最後になんかよくわからないけど泣いている大家を見つけて、
笑ってスマホ構えて写真を撮ろうとする坂井が、
自分が何となく持っている坂井像を崩していなくて良かったなと思いました。
 
坂井は大家が好きなんじゃなくて、大家が好きな自分が好きなんだろうな。