20130930 ガンバレ★プロレス

20130930
ガンバレ★プロレス
新木場1stRING

ガンバレ★プロレスは斜めから見ることが許されない空間だ
と思っているので、普段真横向いてプロレス見ているような感じの私も
できるだけ一生懸命に正対してみています。
 
それは何故か。
 
私はこの仕組みに過ぎた日の後ろ姿を重ねているからです。
この後姿には色んな意味があるんですが、あんまり丁寧に説明しても
意味がわかりませんので、さらっと流していきますが、とにかく内外の後ろ姿が
何重にも重なり合わさっています。
 
そして当然、今まさに進み続ける大家と今成が存在しているのも大きいです。
それぞれに背負うものとこちらが勝手に背負わせているものを
彼らは今のところ取りこぼさずに背中に背負っています。
 
今の私にはそれほど人生に余裕が無いので、たまにしか見に行けませんが、
今一番気になっているし、一番見たいと思っている男子プロレス団体です。
 
この組織のお題目として彼らの目指す「プロレスのメジャースポーツ化」には、
さっぱり近づいている感じはしませんが、たぶん対世間っていうのはそういうものなんだと思います。
 
従来のプロレスオタクに向けてやっているだけでなく、
自らが新しい流れを生み出さないとメジャースポーツなんかになれるわけがないのです。

そういう意味では、他ジャンルの有名人を入れたり、とにかくメディアに出たり
ということをしていくのが近道のように感じますが、実のところそういうことだけでは
人の心には残らないし風化していくのも早いと思います。
 
手っ取り早くやったことは手っ取り早く忘れられる。
 
ウワモノとして有名人を呼ぶとしても、その為には土台が必要で、
その土台となるのは大家と今成(あと現バッドテンション多摩川)ではくてはなりません。
 
正直、誰も注目しないようなコマを揃えて、ひたすらエモーショナルなプロレスを
展開し続けているガンバレ★プロレスですが、今回も面白かったです。
 
リッキーさんと翔太の試合は往年のアメリカンプロレスのエッセンスを
完全にイイトコドリで(とはいえ、リッキーさんと翔太なんだけど)見せているし、
剛力鋼も多分試合自体はライディーンの時と一緒なんだろうけど、一捻りが効いている。
この日の試合ではあわやの場面を作ることもできた。
3組同時に試合するのは実験的すぎて世羅りさのお腹だけ見てました。
セミファイナルの往年の埼玉プロレスを彷彿とさせる展開にロビンさんが絡む試合とか、
今、名古屋でも見ることできないでしょう。他で見れないものを見せるというのは大事。
 
そして、所謂「おもちゃ箱をひっくり返したような」マッチメイクの末に見る、
浪口軍団とガンプロ勢のイリミネーション、本当に味わい深いし試合自体の流れも最高だった。
結果的にはガンプロ勢はOTRでしかポイントを取ってないけど、
このルールで見せなくてはいけないものはほとんど見せた。
最後に残った大将であるところの浪口と今成のやりとり、最後OTRで勝った後に、
今成が浪口に突き立てた指3本(意味不明)とか本当に最高だった。
往年のFMWを彷彿とさせるマットバンバンから、
B'zのBAD COMMUNICATIONに乗せての出られる選手全員参加の大団円まで、
久々に無邪気にプロレスを見た気がしました。
 
マットも10何年ぶりに叩いたし、今成が勝った時、ちょっと泣いたしね。
 
そんなこんなで、大家と今成が最後に集会で、次回の予告編をやって終了。
会場の中も、大家のことを笑いに来たみたいな層はいなくなってきていて、
この感じに向かい合う気がある人だけになってきているのが感じられました。
これなら、もしかしたらいつか世間と対峙できるかもね。道のりは遠そうだけど。