劇場版「爆音セレナーデ」

劇場版「爆音セレナーデ」を見ました。

自慢のAmazonプライム会員なので、
こちらの作品を実質無料で見れるということが確認できましたので見ました。

撮影時期は2014年の秋頃から翌2015年の春までということで、
私が熱心に見ていた時期の終盤になります。
(2015年の夏で熱心に見るのを辞めています)

この劇場版の元となるDVD版については、
見に行かなくなる時期と発売が重なったので結局買わず、
ということで違いは分かりません。

映像的には、監督・カメラマンが撮影した部分と
選手が各々撮影した部分があって、試合の映像に関しては
お世辞にも褒められるようなものはなくて、
やっぱりプロレスのリングサイド撮影っていうのは
特殊なものなんだなと思いました。

今でこそ有料チャンネルの放送があるので、
中継的な撮影もしているんだと思います(放送自体
全く見てないのと、会場に行かないので撮影体制も
わからないですが)が、この頃はサムライの
ニュース映像くらいしかなかったと思うので、
それよりは画質がちょっと良い映像が残って
良かったですねという感じです。

内容の基本は選手の独白とインタビューなので、
ドキュメント感が強いです。でも内容が薄いなと思いました。

道場を使える時間が平日の夕方なのかな?
練習が終わったあとの選手撮り映像はだいたい
夜の街を歩いている感じ。
ここで選手同士の会話だとか独白があるという感じですね。
帰宅してからの映像も身上の吐露をしているだけで、
それからどうした、どうなったという部分は数ヶ月という
撮影期間では追いきれていません。

撮影時期の東京女子プロレスに目を向けると、
この時期は団体的には集客が何故かどんどん増えている時期で、
多分やってる人達は絶好調だったんだろうけど、
私は素人なので本当のところは分かりませんが、
実情はとにかく上手く行ってない感じがしていて、
明るくインタビューに答える甲田代表の映像を見て
虚しさすら感じました。

ほんの2年前なのに甲田代表だいぶ老けたね。

本当だったら、復帰を目指すし ケンリリ改め辰巳りかが、
団体最大のビッグマッチで復帰してって流れのところで
結局復帰できずに中途半端にリングに上がることになって、
物語の軸がブレた結果、全選手を満遍なく触っていった結果
何もないっていう結構厳しい内容になってしまったような
気がします。
これがスポーツドキュメンタリーの怖いところですね。

まあそもそも撮りたかった、見せたかったものは
ドキュメンタリーではないのかもしれませんが。

そんな中でも坂崎が一番使える素材を持ってきたからか、
坂崎が絡む場面が多い、でもやっぱり坂崎は坂崎だから
ドラマになりにくい、坂崎が話す話自体はいい感じには
なってるんだけど。

そして今となっては、えーりんがメインになってなくて
良かったねって感じではありますが、新宿FACE
アカネちんさんに勝ったことを考えると、
もっといい感じにできたんじゃないかなっていう
気持ちもあります。

えーりんは、インタビューで「エースは山下かもしれないけど、
人気では勝ってる」とか良いパンチラインもあったからね。

中島が実家に帰る件とか、もっと膨らませてよ!
と思いましたが、あれは中島がカメラを回してたから
しょうがないところですね。
親が離婚してる話とか、母親にはふんわりとしか
現状を話していないとか、地元に戻っても
映像に出てくるのは父親だけとか…
誰かついていって撮ってきてほしかったな。
そういうのって、自分では撮れないし語らない。
特に中島はカッコつけだからな。
とまあ、そうなってくると東女のドキュメントでも
なんでも無くなりますけど。

デビューが決まって希望に燃えるパミとMIZUHO
食事するシーンとか、当時練習生あずにゃんのインタビューとか
興味深いところはやっぱりあるものの、
結局は消化不良な感じは否めなかったです。

カンナちゃんの悩みは結局は何も解決しないまま
円満に廃業してしまった。結局レスラーとしては無色のまま。

そして、この時期は木場ちゃんが練習に出れてない
って言うことで試合を組まれなくなってた時期で、
甲田代表曰く、怪我されたら困るってそりゃそうなんだけど、
インタビューで涙を流すけど、そこはドキュメントなので
何も解決しない。

それもまたそりゃそうなんだけど。

今も昔もよく分かりませんけど、
一緒に練習していたと思われます清水愛さんが
東女について語る場面で、凄く褒めてるし
未来に向かってる感じがありましたけど、
1年後には定期参戦しなくなっているわけですし、
やっぱり何か違ってきたんだろうなという風には思いました。

多分、もっとドキュメント寄りにもできたと思うし、
もっとバラエティにもできたと思うけど、
上映作品にもしなきゃいけないし、DVDにもしなきゃいけないし、
まだまだ団体の名刺として作らなきゃいけないし
っていう落としどころを探った結果がこの感じなのかな
と思いました。
団体の名刺っていう意味では山下はケンリリの次に
フィーチャーされてたかな。

本質はDVDの個人別特典の方になるのかな。
そっちは見れないのでよくわかりません。

まあ自分にとってもひとつの青春であった
東京女子プロレスの闇というか、
知っても知らなくてもいい部分ではあると思うところなので、
興味があったら見るのもいいと思いますし、
とはいえ、映画として面白いかというとそうでもないですし、
人にお勧めできるかというと絶対にお勧めしないですし、
撮影した期間がハズレだったなとは思いました。
ドキュメントには時間がかかる。

そりゃあ結末がないんだから
フワッとした感じにはなっちゃいますよね。

人が増えちゃって、入団希望者続出で
すごいみたいな話になってますけど、
この時ジャケットにいる13人から5人減って、
4人入ってるだけだから全然増えてないよね。

見ていて最後に長い上によく分からないエンドロールが
ツラいなと思ってしまった。
えーりんももう居ないですし…。